【9064】ヤマトホールディングス
(人手不足対策関連銘柄・宅配ロッカー関連銘柄)
同社は言わずとしれた宅配最大手である。全国に4000拠点があり、国内シェアは44%にのぼる、まさに物流のリーディングカンパニーだ。
しかし、同社の株価はこの頃冴えない動きを見せている。これはアマゾンや楽天などのECサイトの台頭で物流量が増加し人手不足に陥った事に端を発する。
当時人手不足からヤマトの配送員が残業を強いられおり、残業代も未払いであると告発がおこった事でヤマトホールディングスは配送の総量規制を発表。合わせて大口企業へ配送料の値上げを要請した。
これに対し、アマゾンなどの大手ECサイトは地域密着の中堅配送会社を活用する事でヤマトに対する依存度を減らす方策をとった。これによりヤマトの配送量は減ったものの、逆に減りすぎた結果となった。そのため、ヤマトは赤字転落となる結果となっている。その結果ヤマトは、アマゾンに対し配送料の値下げと配送引受増加を交渉し合意に至ったと報道された。
株価はこれを織り込むように、一年で半値以下にまで落ちている。だが、ここに来て株価は底打ちに兆しを見せている。10月に入り株価は一本調子で上昇。ついに75日移動平均線にタッチするまでに至っている。
同線は年初来上値抵抗として意識されている線であり、ここを抜けるようであれば一気に200日移動平均線付近となる2300円~2400円あたりまで回復するかもしれない。株価は先を織り込み、事実で出尽くしとなるだけに今後の株価の動きには要注目だ。
ここからは当サイトの推考となるが、アマゾンジャパンの代表は宅配ボックスの設置を積極化するなど物流に対しての投資に積極的だ。宅配便の受け取りという下流の整備だけではなく、「上流から下流までまんべんなく投資をする事が必要」と話している。物流の上流を抑えるとなると、ヤマトを買収するのが話は早い。
ただ、ヤフーがZOZOを参加に収め、アスクルにも強権を発動したようにソフトバンクグループもECサイトの立て直しには必至だ。赤字転落で体力が弱るヤマトを狙うのはアマゾンだけではなく、ソフトバンクグループもあり得る。
時価総額7000億円のヤマトだけに買収という事はないかもしれないが、公開買付による資本業務提携などがないか?可能性は0ではないだろう。
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