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続【4563】アンジェス(思惑関連銘柄)

情報公開日:2020年9月9日

【4563】アンジェス

(思惑関連銘柄)

昨日に引き続きのアンジェスとなる。もちろん、昨日の記事の通り増資に関しては注意が必要であり、資金管理をしっかりしていないと不意打ちの増資にやられてしまうのは留意していただきたい。

さて、昨日記事にしてから「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けDNAワクチン:大阪大学医学部附属病院でのP1/2臨床試験開始」「新型コロナウイルス感染症DNAワクチン開発:Brickell Biotech社との共同開発契約締結のお知らせ」と材料を発表した。ただし、私が耳にした噂はこれではない。噂の内容としては、「10月にも日本だけではなくフェーズ3に入るとのIRを発表する」というものだ。

ワクチン開発にはフェーズというものがある。日本だと、「相」と呼ばれる。第I相(フェーズ1)は数十人程度のボランティアに対して治験が行われる。第II相(フェーズ2)は感染症が発生している地域で数百人規模で行われる治験となる。ここまでで有効性と安全性が検証され、更に大規模な第III相(フェーズ3)と呼ばれる数千人規模の治験が行われる。統計的な誤差をなくし、更に安全性と有効性が確認されれば、当局の認可によって一般での使用となる。もちろん、その後も安全性の検証は続けられる。これはフェーズ4となるが、今回は一般使用までの道のりが大事なので割愛する。

それではこの事を踏まえて先程の噂を検証すると、まだアンジェスの治験は1/2相と呼ばれるごく少数に対する投与である。また、この安全性の検証にも一ヶ月程度はかかる。つまり、10月にⅢ相試験というのは現実的には無理だろう。場合によっては、先行するアメリカ企業と共同で行うという形で行うのかもしれないが…。

ここからわかる事は、複雑なワクチン開発の過程の説明をすっ飛ばして飛びつく人に買わせようとしている誰かがいるという事ではないだろうか。もちろん、噂によって株価は上昇するかもしれないし、ウルトラCでアメリカでのフェーズⅢの発表があるかもしれない。補助金をたんまり手にしたアンジェスがそうそうと増資に踏み切る事はないだろうという思惑もあるかもしれない。ただし、このような噂がでまわる事自体、本来よろしい事ではない。しつこい良いだが、注意されたし。

 


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