【2351】ASJ
(思惑銘柄)
ASJはサーバー会社の中堅。機器設備や施設などを自社で開発している事が強み。創業は1984年でPC用ソフト開発・販売が祖業。その後、開発能力を生かしてサーバー関係に進出した。現在はネットショッピング支援や決済代行なども行っている。顧客基盤は商工会議所などで、中小企業が多い。
2019年にIFRS制に以降、これに合わせた減損損失を計上。新規ゲームの配信中止など構造改革を行った事で、4億円を超える赤字となった。これを受けて、2020年に資本増強の為、行使価額修正条項付き新株予約権を発行。相手はSMBC日興証券となる。
第三者割当による第2回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行及びファシリティ契約(行使停止指定条項付)の締結に関するお知らせ
詳細は上記となるが、重要な点は下記の通り。
- 前日の加重平均株価の90%で行使可能
- 上限行使価格はなし。下限行使価格は772円。
- 行使は2023年11月6日まで
- 総数は910,000株
さて、この発表が行われて以降株価は低迷。下限行使価格となる800円割れまで売り込まれた。その間に行使されたのはその後、行使されたのは24,000株のみでまだ886,000株ほど残りがある。
行使価額修正条項付きの新株発行は、割当先が行使すれば企業にはお金が入り、割当先も市場価格より有利に株を発行できるというものになる。市場でさばく事ができれば、発行企業と割り当て先にとっては有利なものだ。そのため、ボロ株で使われがちな資金調達方法であり負の側面にスポットが当たる事が多く悪名は高い。株価は戻りを見せてカプコンは家庭用のゲームソフト開発を行う大手だ。ストリートファイターシリーズやバイオハザードシリーズなど有名なタイ
他方で、企業側の資金調達を容易にするというプラスの側面ももちろんある。現在、ASJは構造改革が功を奏し黒字に転換した。新たな資金を調達して業績拡大を狙うために新株を発行している訳であり、この資金調達により新規データセンターの開設やサービスが軌道にのれば将来価値は増大するだろう。
そのためには、日興証券側新株予約権を行使しないければならない。下限行使価格が決まっている以上、自らの重みにより行使価格よりも株価が下がるような事があればSMBC日興証券は損をする事になる。となると、行使のために必要な事は当然株価の上昇となる。
SMBC日興証券に新株を行使してもらい資金を手に入れたい企業側と株価の上昇過程で売りさばきたいSMBC日興証券の思惑が重なれば面白い事になるかもしれない。折しも株価は底練りから上昇過程にはいっている。最近は出来高が増加し概ね5日移動平均線に沿った上昇となる。25日移動平均線と75日移動平均線のミニゴールデンクロスとなり短期的には買いの格好だ。現在は配当取りで大型株有利だが、一服した来週以降の動きに注目したい。
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