【7953】菊水化学工業
(水害対策関連銘柄・思惑銘柄)
建築物の下地材から仕上材までを一貫して製造・販売する会社だ。今年で創業60年を迎える老舗企業であり、現在は改修工事のみならず塗料分野に進出。塗料では、耐水性のシリコン塗料や断熱塗料などが好調となっている。
同社が注力している塗料「水系ファインコートシリコン」は建物の外観を長期に渡って維持できる。一般的なシリコン樹脂塗料の場合の耐用年数は10年前後だが、同社の場合の耐用年数は12年から16年だ。つまり、現在問題になりつつある大型マンションにおける大規模修繕において、費用削減効果の高い同社製品が採用される事が今後増えるだろう。
また、同社は水害対策や復興関連としても注目されるポテンシャルを秘めている。塗料以外はそもそも建築材の下地材や仕上げ材を製造販売している。つまり、台風19号による甚大な被害が同社にとって追い風になるのだ。
今回の台風では、地震被害と違い直接的な建物の倒壊という事は少なかった。一方で堤防の決壊による河川の氾濫で広範囲に渡って浸水被害が発生している。床上浸水ともなれば板材が痛む・腐食の可能性もある為張り替える必要がでてくるであろう。この点、同社商品は水害の復旧のために必要な建材を提供する会社である事から今後の売上増加が期待される。
水害に関係なく業績は回復傾向にある。第1四半期決算は好調な推移となっており、11月7日の中間決算発表では上方修正の期待も高まる。ただ、この段階では水害での特需が仮に起こっていたとしても数字には反映されない可能性があることには注意が必要だ。
株価を見てみると、年初より何度か吹き上がる場面があるものの、概ね400円前後での揉み合いとなっている。だがここにきて本年一番の出来高を伴った上昇がある。前回までの吹き値場面では、すぐに行って来いとなり株価はもとの水準に戻ったが、今回は高値をキープしている。
この動きには当サイトとしては思惑を感じる。このまま高値圏を維持できるようであれば、5日移動平均線の接近まで日柄を待ち安いところを拾っていけば妙味がうまれるのではなかろうか。
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