【5009】富士興産
(材料・IR TOB関連銘柄)
富士興産はエネオス系の会社となる。灯油や軽油などの中間商品が主体で、トラック業者や工業などの業者向けが多い。今は太陽光発電事業も手掛けておりある意味再生可能エネルギー関連の銘柄でもある。今回はその観点ではなく別な観点で見ていきたい。
その前に背景を解説する。バイデン大統領や菅総理の発言などで分かる通り化石燃料から脱却し再生可能エネルギーを活用する流れとなっている。もちろん、経済面だけみれば再生可能エネルギーより化石燃料の方が割安で経済性ははるかに高い。しかし、世界的な流れに逆らう訳にはいかず再生可能エネルギー活用のための補助金などが出される事になるだろう。
これにより再生可能エネルギーの株価が上昇している訳だが、一方で割を食う旧来のエネルギー株。つまり化石燃料を扱う会社はどうなるのか?この流れのままだと、座して死を待つ他ない。そのため、生き残りを模索していく事になる訳だ。エネオスが石油小売に関しては撤退して老人ホームを作る計画があるとの話も聞こえてきた。もちろん、これはすぐすぐの話ではないだろうが、企業として生き残りの道を探っているからこそこのような話もでてくるのだろう。
さて、現実的に考えて一番の生き乗りの策は資本効率を高める事になる。規模の利を追求し利益率を高めるのが一番の方策となる。だからこそ、昨日記載した東亜石(5008)に出光がTOBをかけているのだろう。
この場合、常に規模の大きいほうが小さい方を吸収していく事になる。富士興産(5009)は時価総額が100億円程度の小規模な会社である。東証のルール変更で東証1部相当となる東証プレミア(流通時価総額100億円以上が想定されている)から漏れる事になれば投資家の魅力は下がる。さらには手元資金が30億超と時価総額に対してリスクをとった営業を行っているとは言えない事など、TOBをかけられる要素が豊富だ。
現在株価は1000円台と高値まで買われているのはこのような背景・思惑があるのではなかろうか。今後の株価の動きに注目である。
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