【3891】ニッポン高度紙工業
(グローバルニッチ関連銘柄)
ニッチとは隙間の意味となる。ニッチな産業というと、スキマ産業という事になり市場規模が小さい産業となる。そのため、売上を右肩上がりで伸ばしていくのは難しい事業だ。逆に言えば、ニッチな産業はその市場規模が小さい為参入企業も少なく、一定水準の技術力があればトップシェアを奪う事ができるというメリットがあり、利益率を高める事ができる。
グローバルニッチとは、スキマ産業でありながらも国際展開を行っている市場の事となる。国内事業だけではニッチ産業故に売上の上昇は見込めないが、市場を世界に広げる事でニッチながらも売上が伸ばせる。もちろん、その分国内水準で収まらない世界企業に打ち勝つ技術水準が必要となる。
さて、ニッポン高度紙工業は電気絶縁用のセパレータ専業となる。まさにニッチ事業に特化している。その分、アルミ電解コンデンサー向けはほぼ独占しており、世界市場でも6割のシェアと高水準となっている。またリチウムイオン電池向けの事業も行っており、こちらは昨今の脱炭素やEVの流れを受けて需要が旺盛となっている。ニッチな事業であるも、大元の電池需要が伸びれば当然同社の売上にも貢献する事になる。
2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
これは1月29日に発表した3Qの決算発表となる。前年同期比に比べて売上高は18%増の113億円、営業利益は172%増加の19億円、純利益は146%増加の13億円と大幅な増収増益となっている。これは先程述べた電池需要が旺盛な為だ。配当も2円増配としており、新型コロナの影響で減益予想だった市場からは好感をもって受け止められている。
今後EVや電池、脱炭素関連銘柄はその市場テーマ・期待で資金が入る段階から、実利に反映されるかの時期に入ると私は考えている。いくら国策と言えども実際の利益に反映されない企業はその期待感で資金が流入した分、株価は反落するであろうし、逆に利益に買えられる会社はその流出資金の受け皿として株高の恩恵を受けるだろう。
同社の株価の動きを見ると、決算発表後の動きはさほど大きくなかったもののその後に出来高を伴って3000円という節目を突破。直近高値を抜けた事で上昇波動入が考えられる。その後は、下値目処とかわった3000円を下抜ける場面では買われる動きとなり本日大幅高となっている。2月頭の出来高の推移はつまりはこの高値水準から買いを入れた大口がいると推察される。そこが利益確定に走れるだけの株高もしくは出来高増加とあるまでは期待が持てるだろう。今後の株価推移に期待したい。
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